9.11以降、テロ組織等の非国家主体による大量破壊兵器を用いたテロが現実の脅威となりました。この大量破壊兵器を用いたテロのうち「核」に関連する主なテロとしてIAEAは下図の4つのシナリオを想定しています。
「核セキュリティ(Nuclear Security)」とは、これらの核テロを防止するための多方面に亘る活動であり、原子力施設や核物質の防護のみならず、核物質以外の放射性物質の防護や輸出入管理といった水際対策等も対象としています。
核テロの分類(出典:外務省ホームページ)
核セキュリティは、一義的に当事国に責任がありますが、問題が顕在化したときのインパクトは一国の境界に収まるものではありません。このため、地域及び国際レベルの協力が重要であると考えられています。
<核セキュリティ・サミット>
2009年4月、オバマ米国大統領はプラハにおける「核兵器のない世界」に関する演説において、核テロ回避のための国際的な核セキュリティを一層強化することの必要性を訴え、2010年4月には第1回核セキュリティ・サミットがワシントンD.C(米国)において開催されました。
その後、第2回サミットは2012年3月、ソウル(韓国)にて、第3回サミットは2014年3月、ハーグ(オランダ)にて、更に第4回(最終)サミットは2016年3月、ワシントンD.C.において開催され、以後の会議はIAEAに引き継がれることになりました。
一連のサミット開催を通じて、核テロの脅威についての認識が高められ、参加各国の国家レベルのみならず、地域レベル及び世界レベルにおける核セキュリティ措置の強化が図られました。
ソウル核セキュリティ・サミット (提供:内閣広報室) |
ハーグ核セキュリティ・サミット (提供:内閣広報室) |