- ロシア極東地域においては、放射性廃棄物を処理する施設が不足していたため、1993年に放射性廃棄物が日本海にそのまま投棄されるという問題が明らかになり、日本海の環境汚染が大いに危惧されました。
「すずらん」は、このような状況を背景として原子力潜水艦の解体作業から生じる低レベルの液体放射性廃棄物を安全に処理するために供与されました。「すずらん」は、1998年4月に完成、試運転及びロシア国内の調整を終えた後、2001年11月、ズヴェズダ造船所において引渡式が行われ、処理作業を開始しました。 - 海上に浮かぶ「すずらん」のような処理施設は世界にも類がなく、その処理能力は、年間7,000立方メートルで、世界最大級です。現在「すずらん」は、ウラジオストク対岸のボリショイカーメニ湾にあるズヴェズダ造船所に係留されていますが、稼動後、液体放射性廃棄物は一切日本海に投棄されておらず、「すずらん」の供与は大きな成果を上げています。
- 2001年11月22日、ズヴェズダ造船所で「すずらん」の供与式典が実施されました。式典には、日本側より在ウラジオストク総領事並びに、外務省関係者等、ロシア側より原子力省、経済省、連邦核・放射能安全監督局、沿海地方行政府、太平洋艦隊、ズヴェズダ造船所及び、処理施設建設関係者が出席し、その模様は日露両国にて広く報道されました。
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【参考資料】